東亞合成株

聞いたことが無い会社であったが、調べてみると「アロンアルファ」を作っている会社であった。なかなか良さそうな気がしたので、詳しく調べてみた。


東亞合成の前身は、福沢諭吉の婿養子である福沢桃介によって創設された会社で、アロンアルファの接着剤だけでなく、アクリル酸に関連する製品を製造している。


売り上げは横ばいだが、営業利益が7%から11%と比較的儲かっている。加えて財務健全性が非常に優れている。自己資本比率は80%、有利子債務も少ない。では個別事業に落とし込んでみるとどうだろうか。


1.基幹化学品事業

・水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、塩酸、硫酸

・アクリルモノマー・化成品

・酸素、窒素、アルゴンなど多種にわたる産業ガス

を製造している。18/12月決算では、カセイソーダやアクリルモノマー製品の販売価格是正が寄与し増収となっている。


2.ポリマー・オリゴマー事業

アクリルポリマーは、アクリル酸やアクリル酸エステルの特色を生かして他の分子と結合させた化合物で、分散剤、増粘剤、粘着剤、バインダー、コーティング剤などのさまざまな用途に使用されている。

アクリルポリマーは、リチウムイオン二次電池向けや化粧品原料などに使用される高付加価値製品の販売が拡大し増収。アクリルオリゴマーも、国内外の市場において販売が好調に推移し増収。

しかし、原料価格の引き上げに対する販売価格の是正が遅れたことに加え、アクリルポリマーの増産対応やタイ子会社での操業開始関連費用の増加などが利益を圧迫し、減益となった。


3.接着材料事業

アロンアルファという有名ブランドを保有。アメリカではクレイジーグルーというブランド名で展開。

瞬間接着剤は、コンビニエンスストア向けや工業用途向けなど国内販売は堅調に推移したが、海外市場における販売減少などが影響し減収。

機能性接着剤は、高機能情報端末向けなどに使用される反応型接着剤の需要は低調だったが、自動車関連材料向け製品の販売が底堅く推移したことなどから増収。

利益としては、海外市場における瞬間接着剤や高付加価値の機能性接着剤が減販となった影響で減益。




4.高機能無機材料事業

カセイカリ、塩酸など工業用薬品を原料として高純度製品を製造しており、塩酸の純度を高めた高純度製品は、半導体をはじめとする電子材料のエッチングや洗浄などに使用されている。

高純度無機化学品は、旺盛な半導体需要が継続し液化塩化水素など高純度製品の販売数量が増加したことなどから増収。

無機機能材料は、無機抗菌剤の輸出減少やエレクトロニクス関連製品の出荷が低調に推移したことなどが影響し減収。。

営業利益は、無機機能材料が減販の影響などから減益となったが、高純度無機化学品の増販が寄与し、増益。


5.樹脂加工製品事業

管工機材、介護用品、エラストマーコンパウンドの分野を中心に事業を展開。

管工機材製品は、夏場の天候不順による工事遅延や販売競争激化の影響などから減収。

建材・土木製品は、受注物件数の増加などから増収。

ライフサポート製品は、新製品の販売が寄与したことなどから増収。

エラストマーコンパウンドは、販売数量の増加などから増収。

一方、営業利益は、ライフサポート製品や建材・土木製品は増益となりましたが、管工機材製品が原材料費の上昇などから採算が悪化し、減益。



まとめ

・自己資本比率が高く、財務は健全。

・過去12年で平均9%の営業利益を確保(リーマンショックでも6.7%)

・売り上げ高が横ばい。

・原材料の変動を価格にタイムリーに売価へ反映できない場合、利益が減少するリスクがある。

・大型定修による減収・減益リスクがある。

・PBR0.83倍、配当2.56%と指標は優れている(19/3月)


上記内容から、限られた予算を振り向けるには至らなかった。


「東亞合成、きみは保留!」

もう少し様子見てみます。


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